人間は一人では生きてはいけない。
誰にも頼らずに、ひたすら独立独歩の考え方で人生を生き抜いている人もある。
それは多いに結構なことだ。しかし、100%自分の力だけで生活など所詮無理なこと。自給自足といえども、自分が作れないものはある。世の中の誰かにお世話になっているものだ。
そういう意味で考えれば、社会の恩恵を受けているのは、自分自身ということである。
人々の生活が楽に、楽しくなることを日夜考え、新たな製品を開発しているエンジニア達。閉塞感極まる社会において、束の間の安らぎを提供しようとする芸術家の人達。われわれの生活圏がより生きやすくなるように企画・実行してくれる役所の人達。考えればきりがない。
ふと、自分が小学生の頃の生活を思い出してみる。そういえば、家電製品なんてなかったな。生活水は井戸の水を釣瓶で引き揚げ、ご飯も薪を使って釜で炊いていたし、自分も炊事の一部を任されていたのを記憶している。そのことを思い起こしても現代のこの進化は急速化しているし、止め処がなく進化し続けている。まったく感謝しか言いようがない。有難し、社会の恩恵に合掌である。