宇宙の生成過程など研究してみれば、現代に生きている人間が、どのような組織体として活動できているか、少し参考になるのかもしれない。
人類は太陽系という惑星のなかで、少なくとも宇宙の法則による影響を受けている存在なのだろうが、それに気が付くことは少ない。
物質の場合、原子や分子の理論においても、核がありそれを構成している原子も規則性があり、一定の結びつきにおいて規則性を発揮して、物体を形どっている。
人間や他の動物にも当てはまろう。脳や心臓などの臓器は、現代のコンピューターでいうところの中央演算装置的な存在であり、司令塔となっており、その周辺には胃や肺などの臓器などもそれぞれの役割を果たしつつ、人体の活動を司っている。
また、血液にしても、外部から摂取された栄養に基づいて組成されて、心臓を中心にして、血液として全身を巡らせている。少しでも臓器への不具合が出てくれば、身体への危機が迫る。宇宙も人体も一つの安定性のなかで、規則的に動いていてくれていることが不思議でならない。
臓器についても自律神経に異常が見られない限り、自分の意志とは関係なく、全体としての調和を保っていてくれることに感謝だ。
「すべて物事は流転する」、あるいは吉田兼好の徒然草にあるように「行く川の流れは‥しかも元の水にあらず」
また、かの大宇宙も同じ繰り返しの動きのなかにも、わずかであるののの進化しているという。常に地球上のものはすべて変化しつづけている。
これは物質だけのものではないし、社会や経済・文化も例外ではない。
最近になってよく感じるのは、これまで培ってきた常識が覆されることが目立ってきた。現在伝統として残っているものさえ、悠久の時を乗り越えて現在も連綿として引き継がれれてはきているが、これも進化との関係から捉えると、決して固定化した盤石なものではなものだろう。
消えていく伝統もあろうし、維持されて、かろうじて後世へ引き継がれていくものもあろう。
しかし、時代の中で支持されていくには、かなりのエネルギーがいるものだ。社会のなかに溶け込んだものしか生き残らないという運命であろう。生き残っていくには時代の息吹も感じつつ、受け入れていくしかないのか。一時的な流行として演出されるものは数多いが、そうすることが、時代の中でもまれた往年の伝統が、さらに一層強固に育まれていく所以であろう。
最近特に感じることは、世界の情勢に大きく影響を受けながら、日本での社会制度そのものの変革を迫られていることが多くなった。
LGBTQの課題もそうであるように、われわれ昭和世代が、その当時一般的に常識されてきた性の認識の仕方が、時代の流れとともに変わっていくように、自己の認識を変えて転換していかなければならない社会になってきた。
すべて基本的人権が最も尊重され、差別のない自由な社会はこれからは成熟期を迎えていることためであろう。
権力を持った人間や組織、大多数の
組織員を持った団体など、イニシアチブを発揮しているものが中心となった固定的で狭隘な思考は、少なくとも排除しなければなるまい。人生100年時代。日本丸は超高齢化時代を迎え、多種多様な経験をしてきた人たちが共生する社会である。社会のアンテナを高くして、それぞれの多種多様な考え方・生き方を理解していこうと努力することだろう。
そのことで、自分の人生にも成長がみられ、柔軟な思考ができるというものだろう。